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なぜバイアスが問題なのか?

  • バイアスが存在すると、OLS などのパラメータ推定値が真の値からずれてしまう
  • ここでは、重回帰分析における変数選択に関連して、次の 3 つのケースを考える   
内容 問題点 バイアスの種類
✔ 必要な説明変数を含めない時 推定値にバイアスが生じる → 深刻 脱落変数バイアス (OVB)
✔ 入れるべきでない変数を含めた時 推定値にバイアスが生じる → 深刻 処置後変数バイアス
✔ 無関係な変数を含めた時 無益だが有害ではない
  • ここではこれら 3 つのケースを事例を交えながら解説する

1. 平均処置効果 \(ATE\) が推定できる条件

\(Y\) : 結果変数(健康状態)
\(D\) : 処置変数(0: 通院しない、1: 通院する)
\(e\) : 残差
  • 処置 \(D\) 以外に結果 \(Y\) に影響を与える変数が一切ない
    → 処置 \(D\) と残差 \(u\) の共分散がゼロ : \(Cov(D_i, e_i) = 0\)
    → 処置変数 \(D\) と残差 \(e\) が独立(=両者は無関係)
    → 因果効果 \(\beta\) を推定できる