会場となった拓殖大学文京キャンパスF館201教室
会場となった拓殖大学文京キャンパスF館201教室

2024年1月31日、拓殖大学F館201教室で、早稲田大学社会科学部の遠藤晶久ゼミと拓殖大学政経学部の浅野正彦ゼミが合同でゼミ論文を発表しました。この合同ゼミは2012年から始まり、今年で12回目となりました。発表された論文はプロ野球選挙の年俸、競馬の公平性、生活保護、地方議会、Twitter、言語モデルなど広範でレベルも高く、充実した内容となりました。 今年度は拓殖大学から4本、早稲田大学から3本の計7本の論文が発表されました。 各論文のタイトル、論文の概要、そして発表者は以下の通りです。

「立憲民主党と共産党の選挙戦略の研究ー2021年衆議院選挙ー」

市川泰生・中田純一朗(拓殖大学政経学部3年)

市川さん・中田さん
市川さん・中田さん

【要旨】
本論では2021年度第49回衆議院議員総選挙で、立憲民主党と共産党が各選挙区においてどのような「選挙協力」を行っているのかということに着目した。野党間における選挙協力研究への第一歩として、立憲民主党と共産党の「選挙戦略」を分析した。
分析の結果、両政党候補者の「2017年度総選挙の得票率」が高いほど、2021年の総選挙に出馬する可能性が高いことが明らかになった。つまり両政党は合理的な「選挙戦略」を行っていることになる。

「プロ野球選手の年俸は美顔度で決まる?」

井原裕太・大野隼人・今井悠貴(拓殖大学政経学部3年)

井原裕太さん・大野隼人さん・今井悠貴さん
井原裕太さん・大野隼人さん・今井悠貴さん

【要旨】
本論文では、プロ野球選手の年俸と「美顔度」の関係について、2020年シーズンの日本プロ野球リーグの野手選手を対象として分析を行いました。結果としては、セリーグでは美顔度が年俸に影響しており、パリーグではその結果が得られないという結果となりました。

「競馬におけるスタート位置の公平性―スタート位置が着順に及ぼす影響」

井上凜・木村水音(拓殖大学政経学部3年)

井上凜さんと木村水音さん
井上凜さんと木村水音さん

【要旨】
本論は、競馬という競技を事例として公平性のあり方を考察するものである。競馬では、コースの内側と外側で走行距離が異なり、内側を走る馬の方が有利であることから、コースの内側からスタートする馬の方が外側からスタートする馬より上位入賞する確率が高いという仮説を立て、ロジスティック回帰分析を用いて検証を試みた。また、競馬以外の競技におけるスタート地点の公平性がどのように担保されているのかを比較し、結果と合わせて競馬のスタート地点の是正すべき点を考察した。

「生活保護受給率と新型コロナウイルスの関係」

津田帆稀・中條幹大(拓殖大学政経学部4年)

津田帆稀さん・中條幹大さん
津田帆稀さん・中條幹大さん

【要旨】
本論文では、新型コロナウイルスが最も猛威を振るったと思われる2021年度における生活保護受給率にバラつきがあることに注目し、その要因を都道府県別に分析している。分析の結果、新型コロナウイルスの感染者数が増加すると生活保護受給率が増加するという結果が得られた。

「地方議会選挙におけるポスター掲示位置と得票数の関係」

松島 拓海(早稲田大学社会科学部3年)

松島拓海さん
松島拓海さん

【要旨】
本研究では、選挙掲示板の候補者ポスター掲示位置が得票数に影響を与えるか、重回帰分析を用いて分析した。分析の結果、掲示板の上にいる、または左右の端にいる候補者が得票数が多くなるということが分かった。結果から、現在の区議会議員選挙の掲示板に関する制度の問題点を指摘し、公平性を追求する是正案を提案した。

「Twitterと沈黙の螺旋理論」

田中 英智朗(早稲田大学社会科学部4年)

田中英智朗さん
田中英智朗さん

【要旨】
Twitterトレンド機能が特定の争点に関する多数派意見をTwitterユーザーに提示する機能を果たすと仮定し、Twitterにおける沈黙の螺旋現象の発現可能性を分析した。本研究ではウェブ調査実験を行い、512名の被験者を対象に統計分析を行った。分析結果からは、Twitterトレンド機能は意見分布認知よりも意見同質性に基づいて世論を収斂させることが明らかとなり、トレンド意見と同質性の低い投稿を相対的なマイノリティ意見へ圧縮する点で、沈黙の螺旋現象が発現している可能性があると結論づけた。

「Twitter由来コーパスを用いた BERT モデルの作成」

福重 奏(早稲田大学社会科学部4年)

福重奏さん
福重奏さん

【要旨】
Twitter由来の日本語データのみを用いたBERTモデルを作成した。ベンチマークの結果から、言語モデル作成において一般的なWikipediaデータを用いたモデルと比較して感情分析や、文の類似度判定等で優れた成績を出すことを示した。この結果により、当該モデルやその拡張が、ネット世論を分析するツールとして優れたものとなる可能性を示唆した。

懇親会にて
懇親会にて
懇親会にて
懇親会にて